ジャン=リュック・ゴダールの映画『勝手にしやがれ』で印象的なのは、ジャン=ポール・ベルモンド扮する主人公ミシェルの饒舌ぶりだ。車の中でも、通りでも、プライベートな空間でもよく喋る。しかしそんな彼も、最後には警官に背中を撃たれ、都会のど真ん中でばったりと倒れてしまう。映画のラストを暗示するように、原題には「À bout de souffle」、つまりは「息切れ」「息も絶え絶え」を意味する慣用句があてられている…
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2024年11月よりマックス・オフュルスのレトロスペクティブがはじまり、パリのいくつかのミニシアターにて『明日はない』(1939)、『快楽』(1952)、『たそがれの女心』(1953)がリストア版で公開された。どれもオフュルスの傑作ともいえる作品で、遺作となった『歴史は女で作られる』(1955)から70年経ったいまでも色褪せることなく…
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Haruna Takano
2025/02/16